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執筆者の写真R.Nakanishi

A-PEN開発秘話~episode 1~

更新日:10月22日

ADUSTAのルアーデザイナー中西です。

このブログではA-PENの開発ストーリーやコンセプト・チューニングなど、今まであまり明かしていない部分をお伝えできればと思います。


エピソード1となる今回はA-PENの開発ストーリー。

なぜA-PENを開発することになったのか?を伝えできればと思っています。

●きっかけはブラジルディーラーからのリクエスト

日本から飛行機を乗り継いで1日半。南米大陸の大河・アマゾン川のあるブラジル。

そのブラジルでADUSTAディーラーをしてくださっているマリンスポーツ社、社長・ヒロさんと知り合ったことをきっかけに開発を始めたのがA-PENでした。

当初の依頼はアマゾン川でのピーコックバス用として【アクションしやすい斜め浮きでキャスタビリティがあること。それと大きなノックサウンド。】

シンプルなリクエストだけに自身が今まで製作してきたペンシルベイトへの思いを可能な限り詰め込もうと思ったのを鮮明に覚えています。


●アマゾン釣行で実感したこと

2017年夏。僕はヒロさんと共にアマゾン川で釣行できる幸運を与えてもらいました。アクアリウム好きな僕にとっては、まさに夢にまで見た淡水魚の聖地アマゾン。

さらには開高健さんの『オーパ!』で妄想していたあのアマゾン川。

強烈なパワーの猛魚たちと、手がけていいるルアーのテストができる。

これ以上最高のフィールドは望みようがありません。


●音の重要性

アマゾン川の支流テレスピレス川で実際に釣行できたのは4日間。自分が手掛けた製品・テストモデルはもちろんの事、現地で使われているルアーも使わせていただきアマゾンに何が必要なのかを学ばせてもらいました。


その中で最も重要だと実感したのは音。ペンシルにせよリッパーにせよポッパーにせよ、しっかり水中に響き渡るハイアピールサウンドを奏でられることが非常に重要だと知りました。もちろんそれぞれのルアーで求められる音の質が違うということも痛感、日本のルアーフィッシングと大きく違う習慣にも驚き、開高健さんの『オーパ!』で描かれていたことが時代を経ても普遍的な自然そのもので『ああ、本当なんだなぁ』と感銘を受けました。


●アマゾンのタックルセレクト

よくよく日本でアマゾンの釣りというと『怪魚』=『ヘビータックル』を連想する記事や写真を見かけます。

僕も実際に釣行するまでは、まさにそんな妄想に取りつかれていた一人でした。

持参したタックルもできるだけヘビーなタックルで揃え、いざ釣行。

しかし現実は全く違いました。

ラインこそ歯の強い魚に対応するためリーダーがフロロ80lbでああるものの、ラインはPE30~40lbほど、ロッドはミノーのジャークやトップウォーターの操作性を重視した5’6”~6’のML~Mクラス。

今の日本でもやや弱い目といわれるようなタックル。

正直最初は驚きましたが実際に釣りをすると、これが非常に使いやすい。

一日中ミノーのジャーキングやペンシルベイトのドッグウォーク、リッパーによるリッピングをこなそうとすると、6’以上M以上のパワーの竿では腕や手首が持たないし釣りそのものを楽しめなくなってしまう。

たとえ5’6”クラスのショートロッドでも60クラスのピーコックとのやり取りでも十分楽しめるしファイトも問題ない。

やはり対象魚のパワーや印象というよりは、扱うルアーを基準にタックルを組まないといけないという基本的な部分を、あたらめて学ばせてもらいました。



●一日中使用に耐えうる性能

このアマゾン釣行で経験したタックルセッティングで扱いやすいペンシルベイト。

それがA-PENのコンセプトの2番目に組み込まれたものでした。


●飛距離とアクションレスポンス

歯のきつい魚を相手にするために使うフロロ80lbリーダー。

この太いラインでもしっかりとアクションをする操作性。

狙ったブッシュやオーバーハング、ウィード際のピンスポットに確実にキャストを決められるキャスタビリティと飛距離。

そして、アマゾン仕様のトリプルフックに変更してもしっかりとドッグウォークできる浮力。

アマゾン釣行を経験できたからこそA-PENに必要な要素を足し、現在のセッティングに仕上げられたんだと思います。


次回の開発秘話はそんなA-PENの設計・原型はいかにして生まれたか?をご紹介できればと思っています。お楽しみに。




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