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執筆者の写真R.Nakanishi

A-PEN開発秘話~episode 3~

更新日:10月2日

ADUSTAのルアーデザイナー中西です。

このブログではA-PENの開発ストーリーやコンセプト・チューニングなど、今まであまり明かしていない部分をお伝えできればと思います。

エピソード3となる今回はA-PENの内部構造や素材についてご紹介したいと思います。


ウエイト設定

●ノックサウンド兼移動タングステンウエイト

A-PENの特徴でもあるノックサウンド。これは、最後部に固定した大型スチールボールに、高比重のタングステンウエイトを衝突させることで発生させています。また、このタングステンウエイトがキャスト時に前後方向へ自由移動することにより、もう一つの特徴である遠投性にも大きく貢献しています。

●スチールメインウエイト

ボディ最後部に固定した大型スチールウエイトがA-PENのアクションを決定付けています。ドックウォークさせ易い浮水姿勢を維持し、遠投性にも貢献。バーサタイルなペンシルベイトたらしめているウエイトです。

●高音ラトルサウンド

ボディ前方のラトルルームにインサートされた高音ラトルセット。小径スチールボール×2・ガラスボール×2という組み合わせでアクションさせるたびに高音ラトルサウンドを発生させています。

ボディ形状

●ボディ断面

A-PENの特徴的なオムスビ型断面は、腹側が平面で強い水押し(波動)を発生させ90mmというサイズ感以上のアピール効果を発揮。クイックなアクションレスポンスも、この平面腹部形状から発生しています。また、スケーティングアクション時には平面がゆえに水面を滑りやすく足の長いスケーティングアクションを実現させています。

側面から背中にかけて絞り込まれた曲面となっており、アクションさせたときにロールが入りフラッシングの明滅効果で水中にアピールします。

また、ボディ中央部分から前後へ萎んでいくボディ形状はキャスト時の空気抵抗を最小限に抑えロングキャスを可能にしています。

●内部構造

ストラクチャーへの接触や激しいバイトにも耐えられるボディを実現するために、内部にトラス系パーテーション構造を据え付け強度アップを図っています。またこの構造はボディそのものの高比重化にも一役かっておりウッドルアーに近い水に絡むような使用感を生み出しています。

●素材

A-PENのボディ素材は2種類採用しています。殆どのカラーで採用しているのがボーン素材(ナチュラルABS)。クリアー系カラーで採用しているのが通常のルアーと同じABS(クリアーABS)。このボーン素材こそがワンノックサウンドの効果を最大限に高めてくれる素材で、通常のABSに比べて大きく甲高いノックサウンドを奏で水中にアピールします。これこそがアマゾン川のピーコックバスに求められたサウンド効果でした。

A-PENは基本コンセプトがこの大きなワンノックサウンドにあるため、殆どのカラーでボーン素材を採用しています。

反してクリアー系カラーで採用している通常ABS素材はボーン素材に比べ、やや低めの落ち着いたワンノックサウンドのため、静かなアプローチを心掛けたい場合に使用いただきたい設定となっています。

このように今回リリースしているA-PENの中でも音によって使い分けていただければトップウォーターフィッシングの幅をもっと大きく増やすことができるようになっています。

●デザイン(意匠)


顔部分のデザインは一般的なコイ系の小魚をモチーフにし世界各国どこにでも存在していそうなベイトフィッシュの表情に仕上げています。また大きな目はバイトマーカーとしての効果を最大限に引き出しフッキング率の向上に貢献します。

テスターからの意見

●飛距離と使いやすさ

開発途中のテストモデルを複数のテスターに使用してもらいましたが最初から好感触を得られたようで、飛距離やアクションのさせ易さを評価してくれていました。

最終プロト

●サウンドとアクションレスポンス飛距離のバランス

プロト段階では飛距離重視の物、アクション重視の物など、かなりの数のテストモデルを製作し最終的に現在のサウンド・飛距離・アクションレスポンスのバランスをとったものを採用するに至りました。

サウンドは小さいけども製品版よりアクションの対応幅が多い物や、より飛距離を重視したダイビングペンシルタイプなどそれぞれ特徴的なセッティングを出したものがあり甲乙つけがたい状態でしたが、最終的にはテスターの意見を重視しバランスタイプを製品版として採用しています。

意外なところからの評価

●中国ディーラーからの好評価と好釣報告

長い開発期間を経て発売したA-PENは意外なところから高評価をいただくことになりました。それは中国。スカイゲイザー(日本で言うワタカのような魚。大型の物では1mを超える。中国での名前はチャオズィ)の釣りで使いやすいと多くの方が使ってくださっているとの事です。中国の場合は、ほぼオカッパリ、かつ広大なフィールドが多いため、やはり飛距離が求められるようで、A-PENの形状からくる空力・高比重タングステンウエイトと大型メインウエイトのコンビから発生する爽快な遠投性能を評価してくださっているとの事です。

次回~episode 4~では、基本的なアクション・お勧めタックル・チューニングについてご紹介できればと考えています。



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