ADUSTAルアーデザイナーの中西です。
今回は新たに登場したバルバトスのカスタムパーツ【MNリップ】のジャーク使用にスポットを当てて紹介していきたいと思う。
【BARBATOS 開発秘話 リップ・アイ・ボディ構造 vol.2】で明かされたように、バルバトスは複数のリップを付け替えることで、アクションの多様性を発揮させることを狙いとして開発された。
MNリップは、開発初期にはノーマルリトリーブ主体のクランキングをメインに使用するリップとして開発され、およそ1.5~2.5mのレンジでの使用を可能にし、障害物回避能力も向上させるというコンセプトを持っていた。
開発段階でのテストでは、島田氏もジャイアントベイトのこのレンジはまだ未知のゾーンで期待していたことを覚えている。
クランキングと同時に、開発段階で意識していたのは、一定のレンジまで潜らせてからの水中ドッグウォークアクションを可能にすることで、これは【クワトロアイ】の使用する位置でアクションレスポンスを調整できるように仕上げられている。
~新たに編み出されたバルバトスのジャーク使い~
MNリップの発売前に、品質と完成度の確認を兼ねて島田氏と池原釣行に出かけた。
8月の盆明け、雨が上がったタイミングでの2日間の釣行。最初は池原の状況を確認するべくSFリップで釣りを始めた島田氏。反応は悪くなかったが、魚が遠くに感じられた。
そこでMNリップに変更し、レンジを深くして、最初はクランキングで各所を探った。釣行中の話の中でADUSTAスタッフ安保が琵琶湖でビッグフィッシュを釣っている話になり、その時のメソッドが水中ドッグウォークだったことが話題に上がった。これにインスピレーションを受けたのか、島田氏は【MNリップ】で軽いトゥイッチングやロッドワークを駆使していった。その中で仕留めた一匹が、動画の【バルバトス池原伝説 VOL.1 『序章』】10:42あたりでヒットさせた魚で、これがバルバトスのジャークメソッドが花開くきっかけとなった。
最初は半信半疑でトゥイッチングに近い軽いジャークを使っていた島田氏も、【バルバトス池原伝説 VOL.2 『新たなる扉』】の1:35あたりで強烈な反応を示した魚をきっかけに、激しいジャークでの魚の反応を確信するようになった。
【MNリップ】での強いジャークは、現段階で2つの効果が見出されている。
1つ目は、短距離での強いジャークで戦う釣法。特に【『新たなる扉』】で島田氏が見せてくれた魚は、この短距離戦で獲っている。キャスト距離は10~15m程度で、ピンスポットにキャストし移動距離を極力抑えつつ強いジャークでリアクションバイトを誘う。
もう一つは、【バルバトス池原伝説 VOL.3 『進化』】の5:51あたりから繰り出したオープンウォーターでのジャーク。まるでミノーを扱うかのように広範囲に探り、ヒットさせた一匹だった。
~バルバトスのジャークチューニング~
今回の撮影時に島田氏が実践したバルバトスのチューニングを紹介しよう。【 VOL.2 『新たなる扉』・VOL.3 『進化』】での使用において、島田氏がメインで使用していたのは、【MNリップ】で、【クアトロアイ】の上から3番目・下から2番目のアイでの使用だ。ロールとウォブリングのバランスが最も取れるセッティングとなっている。
リップ後方のウエイトハンガーには、7gの【ノガレス TGグレネード クイックチェンジャー】をセットし、水をつかみやすく潜りやすい設定にしている。バスのレンジや状況によって、より深く潜らせたい場合は10g・14gを使用するのも有効。
テールに関して島田氏は、ストップさせたときや、ゆっくり惰性で動いているときにも常にアクションしてくれるLSテールをメインで使用している。
ウォブリング・ロール・ダートアクションにメリハリを持たせたい場合は、【FPテール】の装着もおすすめだ。
FPテール下部にあるフィンをカットすることでよりハイアピールなアクションに変化させられる設計になっているので、ここも忘れずにチューニングしていただきたい。
~MNリップその他の使用方法~
【MNリップ】に関しては上記で紹介した使用方法以外にも、【クアトロアイ】の一番下をラインアイとして使用することでウェイクベイト的な使い方も可能。
スローリトリーブからのアクションレスポンスが最も高く、強いロールが特徴的な設定となる。水面・水面直下をヨタヨタと水を撹拌してスローに誘いたい時に有効だ。
~今後の開発と発展~
【VOL.3 『進化』】の中盤3:12でも紹介している更にディープを攻略できるリップを開発中だ。このリップは他の2種とは全く別種のアクションを目的として開発している。
今までのリップがクランクや巻系ミノー的なウォブリングがメインのアクションだったのに対し、開発中のリップは、ハイピッチタイトロール系のスプーンビルミノーやシャッドに近いアクションに設定している。MNリップとは一味違う使用方法・レンジを想定しながら今後も細部の設計を行っていくつもりだ。
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