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執筆者の写真R.Nakanishi

Basserの記事では語りきれなかったこと

更新日:10月2日

ADUSTAのルアーデザイナー中西です。

今回はBasser 2024年9月号の記事では語りきれなかった僕なりの【ルアーのオリジナリティとは?】という部分について少しお伝えできればと思う。


僕が1994年にルアーを創り始めて、はや30年が経過した。1994年頃といえば第二次バスブーム全盛期。様々なメーカー・ブランドが産声を上げ、コピー品から奇抜なものまで、1カテゴリーで今とは比べ物にならない数のルアーが生み出されていた。

そんな中で釣具屋に通い様々なルアーに接する中、仲間内でも「これはどこそこのコピーやで」「これはアレのパクリやな」などなど店頭でアレコレ批評して、より釣れそうで性能が高く実績があり独自性が感じられる物を選んで買っていた記憶がある。


いざ自分が創るようになってくると最初はやはり【欲しくても手に入らない物】を見よう見まねでコピーして綺麗に創ることを目指していた。それが2年ほど経つと【オリジナリティをとは?】という言葉が頭の中に生まれ始める。

アマチュア時代オリジナリティとはという命題に取り組んでいた頃のルアー
アマチュア時代【オリジナリティとは?】という命題に取り組みはじめた頃のルアー

既存のルアーよりも、もっとこうだったら使いやすいのに、もっとこうした方が反応が上がる、この要素とこの要素が一緒だったらもっと釣れるのに、などなど。試行錯誤して創る中で釣具としての釣果や使いがってからか形を創造していく日々。


そうこうしているうちに1999年9月プロとしてルアーを創る道に踏み込み、より【オリジナリティをとは?】を意識して乱立するブランドの中でも【独自性】を皆さんの記憶の片隅にでも残してもらわなければという思いが強くなっていった。

そんな中で様々なルアーを創り出させてもらってきた。前職在職2014年までの15年間でリリースしたルアーの種類はおよそ92種。

それぞれが全く違うコンセプトの元、他社とは似つかないルアーとして何かしらの【オリジナリティ】を詰め込んできたつもりだ


ルアーとは本当に難しい物で例え釣れたとしても、あまりに奇抜なコンセプトで制作すると【キワモノ】として扱われ本来意図した使い方・釣果が出る前に見た目だけで評価され水中にすら投入されずに終わってしまう。

逆に現状に寄り添うと【「これはどこそこのコピー」「これはアレのパクリ」】と、これまた見た目だけで評価され、水中にすら投入されずに終わってしまう。


過去様々なメーカー・ブランドがリリースしたルアーの中でも、リリース当初は上記の理由などから受け入れられず、発売からだいぶ時間が経ってから認められたルアーは枚挙にいとまがない。


当時は、今ほどメディアが発達しておらず、自ら作ったルアーを発信す手段が無かったため、お店に並べてもらうことがアングラーの皆さんに見てもらうための第一歩だった。プロショップや量販店の目の肥えた店長や担当者に先ず独自性が認められなければ店頭にすら並べてもらえない。たとえ並んだとしてもアングラーに受け入れられなければ、噂になることもなく、テレビや動画はおろか雑誌メディアに載ることもなく、知らず知らずのうちに消えていくブランドやメーカーが多かった。

当時プロショップ店員でもあった僕は、そんな埋もれたルアーブランドを、普及し始めたばかりのサーチエンジンで日々探しまくり、新しく取り扱えるルアーブランドはないか?発掘していたのを憶えている。


だからこそ僕らルアーを創る側は常に自身が感じる【釣れる】論理を形に変えながら、出来上がった見た目の【受け入れやすさ】と【奇抜さ】を調整してギリギリのラインを探りながら物を作らなければいけない。

バスとの戦いは、ルアーが水中にあってこそ開始する物。いかに巧妙に騙せるルアーであっても陸にあって使われなければバスは釣れないのだ。


僕が現在開発中のルアーも様々な要素を組み込み、細部を調整しながら楽しくバスと出会うことができるというように仕上げていっている。

ADUSTAルアーの造形美
ルアーとしての基本性能の上に築かれる 見た目の特徴としての造形

僕が創るルアーは見た目がリアルで特徴的な部分があって、評価がその見た目に引っ張られて誤解されがちだが、正直【見た目がリアルだとバスが実際のベイトと誤認して釣れる】とか【リアルだから釣れる】と思ってルアーを創り出したことは一度もない。

僕がこの様なルアーの見た目に仕上げているのは、【オリジナリティ】を出す装飾【記憶に残る特徴的な見た目】とアングラーの【投げる・使い続ける】心理的モチベーションを上げる役割のためだ。


ルアーとしての本質は見た目ではなく、魚を釣る道具として【釣具】として、使ってもらってこそ体感してもらえる。サイス感やキャストフィーリング、アクションレスポンスなど釣りやすさや道具としての使いやすさを詰め込んで製作している。


ADUSTAペンシルベイトA-PEN
遠投性・キャスタビリティ・アクション・サウンド・サイズ感を突き詰めたペンシルベイトA-PEN

その意味でアダスタ製品の本質を感じてもらう為には、先ずは【A-PEN】【ザックロールJr】を使って貰いたい。この二つの製品には日本のどんなフィールドでもバスを引っ張ってきてくれる釣れる要素と使い勝手・サイズ感が詰まっていて釣れるルアーとして国内外で実績も積んでいる。

ADUSTA A-PENの釣果
A-PENの釣果
ADUSTAザックロールJrでの釣果
ザックロールJrでの釣果
ADUSTAザックロールJr
野池からリザーバーまで対応する羽根モノ・ザックロールJr

ルアーを創るときはそれぞれ使ってもらいたい場所や、リーリングスピードなどコンセプトを持って製作されていく。

しかし、この【オリジナリティ】とは本当に難しいもので、よく釣れる機能は大前提で【サイズ感・動き・使い勝手・見た目・受け入れ易さ・独創性】をバランスよく盛り込まなければいけない。

まだまだ答えには程遠いものの【オリジナリティをとは?】というシンプルな疑問を心に留めルアーを創り出していきたい。

今後は今まで語ってこれなかった製品のおすすめの使用方法なども動画やSNSでお伝えしていければと準備しているところだ。


~【A-PEN】【ザックロールJr】はブログで開発の流れを紹介~

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