ADUSTAのルアーデザイナー中西です。
このブログでは開発ストーリーやコンセプト・チューニングなど、今まであまり明かしていない部分をお伝えしたいと思う。
今回はADUSTAのソフトベイトガジェットクロー3.8"。ソフトベイトながら、かなり細部まで創り込んだのがこのルアーだ。
変幻自在のソフトベイト・ガジェットクロー3.8インチを作り始めたきっかけは、【日本でバスの釣果を伸ばす上で欠かせないホグ・クロー系を製品ラインナップの中に入れて欲しい】というテスターからの要望だった。当時アダスタにはホグ・クローと言われるようなソフトベイトは無く、僕自身も使いやすいものが欲しいと感じていた。
アダスタ発足当初から海外市場に向けてソフトベイトを作っていたが、2024年現在でも北米のバスフィッシングを除いて、海外のルアーフィッシングにホグ・クロー系という需要が少ないというのが開発していなかった背景だった。
その意味でガジェットクローはアダスタが初めて日本にのみ焦点を当てて作ったソフトベイトと言える。
開発にあたって繰り返したテスターとのミーティングで、【アングラー側がチューニングして、いろいろな使い方ができるホグ・クロー系がほしい】という意見が出ていた。そこで参考となる、ありとあらゆる名作クロー・ホグ系ソフトベイトを使い比べながら製品要件をまとめる作業に取り掛かっていった。
ただ、開発開始当初クロー系、ホグ系、どちらにするかというのは明確には決めておらず、先に【リザーバーや野池の釣り】で【どうやって使うのか】などアイデアを固めていった。
自身の実釣経験も踏まえて、テスターたちとミーティングし纏めたアイデアが6つ
①【テキサスやフリーリーグで扱いやすい】
②【フォール中にアクションする】
③【ズル引きした時にしっかりアピールしてくれる】
④【チューニングしてノーシンカー状態で虫系として使える】
⑤【チューニングして高比重ワーム的にドッグウォークさせられる】
⑥【チャンクのようなジグトレーラーとして使える】
これら6つの要素を元にパーツを組み上げていって、ザックリ一番最初のスケッチを作った。その時に【結果、形状的にザリガニ系のボディイメージがしっくりくる】ということでクロー系の方向で進めることに。各パーツもザリガニ系イメージで形状調整をかけていった。
だがルアーは【道具としてどう使うか】という事が重要で、求める機能から形状があらまか確定していく。見た目のリアルさはあくまで装飾に過ぎない。
では各部はどのような働きをしているのか?を次回ブログで解説していこうと思う。
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