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執筆者の写真R.Nakanishi

フォースミックス開発秘話 ~episode 2~

更新日:10月22日

ADUSTAのルアーデザイナー中西です。

このブログではフォースミックスの開発ストーリーやコンセプト・チューニングなど、今まであまり明かしていない部分をお伝えできればと思います。


エピソード2となる今回はフォースミックスの各パーツに込められたコンセプトや機能を少し解説させてもらいます。


●ボディ形状・ザックロールとの違い

ザックロールは断面が円。フォースミックスは楕円縦長。この形状の違いはアクションに直結しています。ザックロールは特に止水域でのデッドスロー波紋系(虫系)アクションを出しやすくするために、おなか側を丸くし水面を左右へ動きやすい設定としています。



逆にフォースミックスは細身楕円縦長形状で実際のベイトフィッシュに近づけると同時に形状的にフッキング率の向上を目的としています。


これは僕独自の研究ですが、バスやフィッシュイーター系は細長い(ウナギのような)形状の物に対して特に激しく反応を示すように感じます。まだバスを水槽で飼うことが問題なかった時代、水槽で飼育し餌への反応やルアーへの反応を観察していた時の結果や、同じ系統のピーコックバスの餌への反応、ルアーへの反応を観察していて感じた結果です。

実際、ソフトベイトやハードルアーでも、大きくても細長い形状のものが釣れるルアーとして残っていっていることを考慮しても外れてはいない部分かと思います。

そういった基礎研究の結果と感覚を元にフォースミックは20cmとビッグベイトといえる長さでありながら細身のボディとすることでシルエット的にもバイトを誘発しやすい形状としています。また、マッチザベイトといった部分からもソフトテール以外のボディ形状は14cmほどの魚に近い形状にしています。


その結果、フォースミックスはウエイトバランスとの相互作用でビッグベイト専用ロッドでなくともキャストしやすいキキャスタビリティを得ています。


●怪魚対応高強度ボディ構造

フォースミックスは、ザックロールと同様に日本国外のフィッシュイーター、特にオーストラリアの代表的な怪魚、マーレーコッドやサラトガもターゲットに収めるべく、ボディ内部構造で強度アップを図っています。

ボディ内部パーテーションをトラス系構造にし、各衝撃に対しての耐性をアップしています。

対象魚をバスやナマズだけに限定するのであれば、ほぼほぼ必要のない、むしろ大切な浮力を失わせる原因にもなりかねない構造ですが、僕たちADUSTAとしては世界の様々な対象魚に対しても使用できるようにという思いがベースにあるので、浮力と強度のバランスを取った構造としています。



●ウエイト設定・絶妙なバランスの水平姿勢


ボディ後部に設定したメインウエイトとウイングリグの重量バランスで初期設定では、水平に浮くようにセッティングしています。後部重心のメインエイトはアクションの立ち上がりを維持しながらもジョイントビッグベイト系でありがちなキャスタビリティの低下を防ぎ、ロングキャストとキャストのコントロール性を最大限引き出したセッティングにしています。



初期ウエイトセッティングの水平姿勢は非常に微妙なバランスを保っているため、テール側に少しでもウエイトを乗せるとお尻下がりに浮くような浮き姿勢を出すこともできます。より正確なキャスタビリティやロングキャスト・より吸い込みを良くしバイトを確実に拾いたい時などには、リアボディに少しづつ(0.25g単位で調整するのがお勧め)ウエイトシールを足して、それぞれの現場により特化したオリジナルのセッティングを出してみてください。ウエイトを足してもアクションの立ち上がりは、ほとんど変わりません。

※もちろんウエイトを足しすぎるとシンキングになりますのでご注意ください。


●金属パーツ設計

ザックロールのウイング形状を継承したフォースミックス純正ウイング。大型の形状やアルミ素材の太さ・重量から、甘いコポコポを発生しやすく設計。強化アルミウイングはウイング受けリグとの金属系接触音を最小限に抑え、コポコポ音のみを発生させアピールします。元来このコポコポ音が非常にバスに効きやすいという話が多く、僕自身もそれは痛感するところで、そういったアングラーの経験則から導き出された音を出せるように設計しています。

独自の形状と曲げ角度は数十種に及ぶテストモデルからベストの曲げ角度の物を採用しています。

これは、アクションレスポンス、サウンドのバランスをとった形状でフォースミックスのボディ形状・ジョイント位置を考慮しアクションのアピール度とのバランスもとった形状になっています。

このパーツがまさにクローラーベイトたらしめている部分であり、アクションに最も大きく影響を与えるパーツです。ADUSTAでは今後、ザックロールやフォースミックスに対応するチューニングウイングを製作していて、そろそろ調整も大詰めを迎えています。完成すれば全く違う質の羽根物へと変化させられるパーツになる予定ですので楽しみにしておいてくださいね。


フォースミックス独自のウイング受けリグはウイングを完全に閉じないように一体型の突起を据え付けアクションレスポンスの向上に貢献、ネジ固定とボディ本体への挿入固定方式で脱落を防いでいます。



この構造で余分なパーツ点数を最小限に抑えコスト・ボディ浮力・強度面での無駄を可能な限り無くした設計としています。


さて今までフォースミックスの開発ストーリに続いて各パーツのコンセプトをご紹介してきました。様々な性能と特徴を詰め込んで作ってきたクローラーベイト・フォースミックス。

次回はそんなフォースミックスのコンセプトを踏まえた僕おすすめの基本的なアクション・お勧めタックルについてご紹介させていただきます。



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